私の実家は農家で米や野菜等を育て乳牛、豚も飼育していたこともあり食材に触れ合う機会も多くあったので、出荷された食材がどの様な料理になるのか興味はありました。
幼い頃から農業の手伝い母親に変わり台所に立つこともあり色々な料理を作って家族に食べさせてやりたいとの思いが強くなりました。
「調理の職に就くことで食べる事に困らない」と父親に言われた事の後押しもあり料理人になろうと思いました。
私が考え作った料理で、ご来店されたお客様が「美味しい」と笑顔になっていただいた時に、頑張りが報われ何よりもモチベーションに繋がったと思います。又、料理を通して恩師や先輩・後輩の多くの人と知り合えたことも大きな財産です。
みなさんに色々と助けて頂いた事や技術指導を沢山して頂いてきたことが、45年間という長い間、調理人を務めてこられたのだと思います。とても感謝しています。
様々な料理を得意としてきましたが、最近ではSDGzの観点や食材の高騰などから、作る料理も「王道な料理」から「複合的な料理」に変わってきており、常に新しい手法で調理を心掛けています。
高校卒業後、日比谷松本楼に勤め、先輩に料理を教わりながら作ったデミグラスソース。それが掛けられた焼きたてジューシーなハンバーグ。
社会人になって友人とフランス料理店で食べた「ソールボンファン」
これがフランス料理だと思いました。
高輪プリンスホテル貴賓館で共に働いた「中田勉」氏が料理長を務める
エクシブ湯河原離宮 イタリア料理レストラン「マレッタ」をお薦めします。中田氏は様々な地元の食材を卓越した技術で調理し、他では味わえない複合的な料理が楽しめます。
調理の仕事を続けていく中で、色々な壁にぶつかると思います。
僕が最初にぶつかった壁は、先輩によって教え方が違うと言うことです。
一方で正しいことが、他方では間違っていると言われ、悩んでいたのを覚えています。
ある先輩が「どちらも正解で、選ぶのは自分自身だ」と言われ勇気づけられました。間違ったやり方でも、覚えておくと役に立つことがあります。
目標に向かって突き進む強さと謙虚さを持って、調理業界を楽しんでください。